国道370号|入門用酷道

国道370号は、和歌山県海南市から奈良県奈良市に至る一般国道で、聖地高野山へのメインルートです。ただ、国道371号や国道480号に比べ、影が少し薄い印象。酷道Xでは、奈良県奈良市から和歌山県海南市へ走行しました。youtubeには既に動画を投稿済みです。


■国道370号 - プロフィール -
・制定年:昭和50年(1975)
・起点:和歌山県海南市
・終点:奈良県奈良市
・延長:127km

■国道370号 ランク(個人的採点)
酷道ランク:★★★☆☆☆☆☆
走行満足度:★★☆☆☆☆☆☆
おススメ度:★★★★☆☆☆☆


■走行年月日

令和3年(2021)1月11日


酷道Xでは、セブンイレブン奈良針インター店様からスタート。快適な二車線道路を南下していきます。

撮影日は、2021年1月。前を走るトラックを見ると、ナンバープレートに『飛鳥』の文字が。奈良県のナンバープレートは、奈良ナンバーのみと思っていましたが、帰ってから調べてみると、飛鳥ナンバーが誕生している事を知りました。

尚、飛鳥ナンバーのエリアはこの通り。『奈良県橿原市・高取町・明日香村・田原本町・三宅町』

動画内でも少し触れていますが、飛鳥ナンバーのデザインが発表された際、ナンバープレートの数字が『20-46』となっていて、人気アイドルグループ乃木坂46のメンバー『齋藤飛鳥』さんと関連しているのではと話題になっていたようです。ただこれは、国土交通省から渡されたテンプレートのデータをそのまま利用、発表したようで、関連性はなく本当の偶然であるとのことです。

セブンイレブン奈良針インター店様から走る事、6.5km。『香酔峠』を超えます。峠の名称はスズランの香気から名付けたようです。香酔峠の区間は急な下り坂ときついカーブの組み合わせ。エンジンブレーキを利用しなければ、スピードは上がる一方。エンジンブレーキの活用は必須です。

香酔峠から走る事、3.1km。五月ヶ丘交差点に出てきます。左折はバイパスで、直進が旧道です。今回は旧道を走行しました。旧道はおよそ250mの走行で福地交差点に出てきます。福地交差点を右折すると、国道165号との重複区間となります。

国道165号との重複区間を600m程走行した所で、近鉄大阪線ガード下を通り萩原交差点を右折。その後は民家の間を通る隘路区間。センターラインはなくなりますが、離合は問題ない道幅は確保されています。しばらく走行すると、右手に近鉄大阪線『榛原駅』が出てきます。

榛原駅は、太平洋戦争中の昭和20年(1945)7月22日に、アメリカ軍によって近鉄電車を狙った機銃掃射が行われた駅です。奈良空襲はその他にもいくつか行われましたが、その中でも最大の死者、負傷者が出た悲惨な場所でもあります。現在でもその機銃掃射の跡がガード下に残されています。

榛原駅から先は快適な二車線道路が続きます。

榛原駅から走る事、4.6km。野依交差点を右折し、すぐの内原交差点を左折します。左折後は国道166号との重複区間を走行していきます。国道166号との重複区間は、およそ2.7km。国道166号は拾生を左折で、国道370号は直進なので2.7km走行した所でお別れです。

国道166号とお別れして走行する事、2km。関戸峠を越え、奈良県宇陀市に入ります。昭和17年(1942)までは、郡境、村境の峠でもあったようです。標高は402mですが北方と南方との高低差は100m程と緩やかでかつ、二車線道路なのでとても快適な道路です。

関戸峠を越えて走る事、約6.5kmの地点に差し掛かると、色生トンネルを避ける旧道があるので調査に向かいましたが、写真のように既に廃道となっていて、車両での走行はできなくなっています。そもそもゲートが設置されているので徒歩であっても入ることはやめておきましょう。


色生トンネルの次のトンネル、水谷トンネルにも旧道が存在していますが、こちらも車両での通行はできません。ただ徒歩での走行はできそうです。今回は調査を行いませんでしたが、機会があれば徒歩で歩いてみたいですね。

続いて入野トンネルに突入しますが、こちらにも旧道は存在しています。しかし道路は途中で途切れていて完走はできません。宇陀市に存在する旧道はこのように、廃道になっていたり、分断されていたり、車両で通行する事は一切出来なくなっています。
三つのトンネルを通過すると、窪垣内交差点に出てくるので右折。右折後は写真のように民家の間を走行し、しばらくすると左手に吉野川が見えてきます。動画内では川の件について触れていますが、誤りがあります。正しくは水系名が紀の川です。奈良県内では地名の吉野に因んで吉野川と呼ばれています。吉野川に沿って進んでいくと、国道169号との交点に出てきまして、右折して重複しながら進んでいきます。右折後も吉野川に沿って進んでいく事になります。国道169号との重複区間は快適な二車線道路が続き、およそ11km走行します。国道370号は『土田』交差点を直進、169号は右折なので、土田交差点で169号とはお別れです。ここまで重複区間の楽しみである串刺しおにぎりは存在していません。
土田交差点からは、今度は国道309号と重複します。国道309号との重複区間は短く、およそ2kmです。しかしながらこの短い区間に嬉しい物があるのですね。それが写真の串刺しおにぎりです。ここまでいくつかの国道と重複してきましたが、いずれの区間でも設置されていなかったものが、この短い309号との重複区間に設置されているのです。串刺しおにぎりが設置されているすぐ先の『吉野警察署東』交差点を左折。するとすぐに西交差点が出てくるので引き続き直進。ここで国道309号とはお別れです。
吉野警察署西交差点から走る事、およそ5km。標高220mの宇野峠を越え、奈良県五條市に入ります。峠を越えて2km走行すると、国道24号との交点に出てきます。ここは左折し今度は国道24号と重複しながら、和歌山県橋本市を目指す事となります。さすがは二桁国道で快適な道路が続きます。ただ渋滞が気になるところ!?。隣には現在も工事が進んでいる、国道24号(京奈和自動車道)があります。

国道24号との重複区間を走行する事、12km。橋本橋を使い紀ノ川を渡ります。そして橋本橋南詰交差点を右折。この橋本橋はかつて国道371号でもありましたが、現在は橋本高野橋が完成していて、橋本橋は国道370号と和歌山県道13号のみの指定となっています。さて橋本橋から直進を続ける事、4km。学分路交差点に出てくるので左折。進むこと1.7kmで九度山交差点が出てくるのでここも左折。そして聖地高野山へ向かう事になるのです。

九度山交差点からは、センターラインがなくなり道幅も狭くなります。場所によっては離合も苦労するような場所があります。ただこのような道路でも、お隣を走る国道371号よりは整備が進んでいて、国道371号で高野山に向かおうとすると、国道370号へ迂回するよう勧めているので、国道370号の交通量は多め。動画内では入門用の酷道としてオススメと紹介していますが、この高野山へ向かうルートが特にオススメの区間。


九度山交差点から走る事、13km。矢立交差点に出てきます。直進は国道480号、右折が国道370号です。ここからは少しの間だけ国道480号と重複しながら進みます。国道480号との重複区間は快適な二車線道路です。1.6km走ると花坂西交差点に出てくるので左折します。ここで国道480号とはお別れで、花坂西交差点からは国道370号単独で南西に進んでいきます。ここからは道路の改良が進んでいて、至る所に旧道が存在。現道は二車線が確保された快適な道路です。

花坂西交差点から走る事12km。大門橋に到着です。大門橋は新しい橋が建設され、旧大門橋は徒歩橋となっていました。前回走行したのは2015年。事前に調べもなく走ったため、徒歩橋になっていたのはビックリしました。地図を見ると、既に国道指定は外れているようです。

大門橋から走る事5.8km。桂瀬松ケ峰トンネルに到着。桂瀬松ケ峰トンネルは、平成30年(2018)3月に竣工。トンネルは走らず旧道を調査する事にしました。旧道に入ってすぐの所にはまだおにぎりが残っていました。旧道となって、まだ三年程度のため、道路状況は比較的良好。しかし道路両側からは草木が伸びていて、交通量も少ないので旧道らしさが漂っています。桂瀬松ケ峰トンネルから1.2km程走ると、全長およそ320mのメロディーロード区間に突入しますが、このメロディーロードは本州初として2007年に誕生しました。高野西街道の地域活性化を図るために建設されたようです。

メロディーロードから走る事3.5km。平成大橋北詰交差点に出てきます。現道は左折で直進は旧道となります。ここも旧道を調査するため直進を選択。旧道はセンターラインがなく、民家の間を走行する隘路。対向車に注意はもちろんの事、歩行者にも要注意です。ちなみに旧道ではありますが、まだ国道として指定されています。

4.2km走ると、和歌山県道180号線との交点の出てきます。ここから先は国道の指定が外されており、青看板もおにぎりの撤去を行い修正済み。しかし交差点右側を確認すると、卒塔婆はまだ設置されているようです。青看板のおにぎりの撤去、国道指定が外されている事から、卒塔婆の撤去も近付いているかも知れません。さて、引き続き民家の間を走行する隘路。道幅は更に狭くなり、場所によっては離合に苦労する所も存在。より一層、対向車と歩行者に注意しなければなりません。また地元住民の方の生活道路でもあるため、交通量が多いのも注意ポイントです。
和歌山県道180号線との交点から走る事2.8km。動木交差点に出てきます。引き続き旧道を調査するため直進。尚、ここからは再度国道として指定されている区間に入ります。そのため動木交差点にはおにぎりも設置されています。変わらず民家の間を通る隘路。引き続き対向車、歩行者には注意して進んでいきます。現道は快適な二車線バイパス道路。バイパス道路沿いには、かつて存在した野上電鉄 紀伊野上駅跡地が存在しています。
動木交差点から走る事2.5km。バイパスに合流して国道424号との交点に出てきまして、このまま直進します。尚左折して木津北交差点を右折すると、令和元年6月22日の開通した阪井バイパスに入ります。阪井バイパスは二車線の快適な道路で、開通した事で紀美野町、かつらぎ町、高野山方面へのアクセスが大幅に向上しました。さて今回走行した旧道に話を戻しますと、旧道はバイパスに比べると明らかに劣る道路状況。阪井交差点から先は民家の間を通る隘路。場所によっては離合にも気を使うほど。そんな道路状況でも交通量は多い上に、制限速度が40km/h。通行に少し恐怖を覚えます。道路が狭いので制限速度で走っても、体感速度が速く感じるのが要因かもしれません。
阪井交差点から走る事1.6km。竜部池が左手に見えてきた所で竜部池交差点に出てきます。ここまで来ると国道370号の終点(起点)ももうすぐです。交差点を右折し快適な道路を西進。阪和自動車道の下を通り引き続き西進。

阪和自動車道の下を通過して走る事1.6kmの地点で六堂ノ辻交差点に出てきます。右折し今度は北進していきます。馬場町一丁間交差点に出てきまして、流れに沿って進んでいくと、今度は船尾東交差点に出てきます。この交差点が国道370号の終点(起点) になります。今回のスタート地点である、奈良県奈良市 針テラスから走る事127km。およそ六時間の旅を終えます。

【まとめ】
国道370号は改良が進み、ほとんどの区間で快適な道路に生まれ変わっています。今も隘路区間を中心に改良が続けられています。ただそれでも高野山ルートをメインに一部ではまだ、隘路区間は多数存在していて、酷道マニアの方には物足りない国道だとは思いますが、酷道入門用には最適であると思います。今後の道路改良が楽しみです。


酷道X / 道路X

国道や県道の走行した記録を掲載しています。走行時の記録のため、現在の姿とは変わっている場合がございますので、予めご理解頂きました上でご覧頂けると幸いです。また、出来る限り気を付けていますが、誤字脱字、解説の誤り等が存在する場合もあると思われます。ご指摘頂きました際はしっかりと訂正させていただきます。youtubeにも車載動画をアップ中です!是非ご覧下さいませ。

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